10月3日決算特別委員会 都市整備費
日本共産党区議団の清水菊美です。都市整備費289ページ地域拠点駅周辺のまちづくり、下丸子1,2号踏切の抜本的な対策及び駅周辺のまちづくりに関する調査検討業務、東急多摩川線下丸子駅付近の鉄道立体化に伴う予備調査委託 について伺います。
◆まず初めに伺います。
周辺住民、通勤、通学の駅利用者の多くは下丸子1号、2号踏切の解消、安全対策を求めています。捗状況はいかがですか?
国土交通省は平成27年 踏切における事故渋滞について、事故は1日1件、、4日に1人死亡、死亡者の約4割は65歳以上と発表し、平成29年1月踏切解消促進法において下丸子1号、2号踏切は抜本的な対策が必要とされましたが、立体化するためには駅前広場整備などの駅周辺街づくり計画が必要となりました。タブレット1ページに資料としておきました。
これは鉄道事業者の負担を減らし国等から補助金を得るためのものと言わざるを得ませんが、区は「下丸子駅周辺地区まちづくり構想案」を作成して説明会、パブリックコメントを募集しました。
そこで伺います。◆下丸子1,2号踏切の抜本的な対策及び駅周辺のまちづくりに関する調査検討業務支出済み額1394万8000円、
同 東急多摩川線下丸子駅付近の鉄道立体化に伴う予備調査委託 621万5000円について伺います。どこに委託し、何にいくらかけたのですか?
タブレットに下丸子駅周辺地区まちづくり構想案をのせました。令和4年度の決算額総額 約2015万円余、さらに令和3年度分下丸子1,2号踏切の対策調査検討業務委託約1126万円も加えると、3000万円以上かけ、下丸子駅周辺地区まちづくり構想素案が1月発表され、3月完成しました。しかし、
勉強会に参加した町会等の皆さんの中から、「会が何のためにあるのかわからない」などのご意見や、本年1月から2月のわずかな期間で募集したパブリックコメントの中にも様々な意見がありました。
それらは、
・下丸子駅周辺地区のまちの将来を考える会を傍聴したが、すべて男性だった、若い人たちやしょうがいしゃの姿がなかった、限られた人々の議論で「合意形成できた」ことにしては困ります。
・下丸子1,2号踏切の改善がいつになるのか、高架化された駅になるのか、地下化されるのか明示してほしい、
・新空港線への投資は「区の勇み足」多摩川線沿線住民が犠牲になる、下丸子駅にとまるのか、通過するのか」などなどです。
これらのご意見に対しての「区の考え方」では、
新空港線については「整備主体などの関係者と検討していきます。」下丸子駅については「仮称下丸子駅周辺グランドデザイン」の策定に向けた作業を進める中で検討していきます」としています。
そして、1か月足らずの3月には「下丸子駅周辺地区まちづくり構想」は完成しています。カラー化で立派な冊子が出来上っています。パブリックコメントにもあった「出来レース」「利害関係者だけで進めれています」との声が出ても不思議ではないと思います。
そこで伺います◆下丸子駅周辺地区まちづくり構想、今後区民にどのようにお知らせするのか? 区民からの疑問や意見にどうこたえるのかお答えください。
本構想は地域の皆さんたちの意見交換等を踏まえて区が取りまとめたものと説明されていますが、例えば案の21,22,23ページなどに掲載されている聞きなれない「ウオーカブルなまち」は令和4年4月1日から都市再生推進事業制度要綱の見直しで施行された、国が地方公共団体に助成を行うとなりました。また、調査業務した公益社団法人日本交通計画協会は全国各地で駅前開発等に取り組んでいます。パブリックコメントにもありました「どこの駅でも同じデザインのような金太郎あめ的なものにはしないでほしいです」など区民の意見をきいて進めていくことが重要です。
構想案の4ページ「踏切概況」には「喫緊の対策が求められています。」とありますが、完成したものには「喫緊の」という文字がきえていました。
命に係わる踏切の解消はおおむね20年後の計画にも明確にされず、さらに今後グランドデザインの策定という、後継に追いやられているのではないかと危惧します。一刻も早い対応を強く求めます。
続いて 290ページ新空港線計画について伺います。
わが党佐藤区議の総括質疑でも伺いましたが、2022年度は「今後2年間で約350億円の財源不足が大前提となって、事務事業の見直し、再構築を徹底していく」としました。見直しで削減された中には、全体から見たらわずかな額でも障がい者の方の生活に欠かせないものもありました。しかし、新空港線のための約11億8千万円余が計画通り執行されました。聖域と言わざるを得ません。
区長は地方自治体分の7割の負担分は限りなくゼロにする」と言っておられますので、わが党が予算組み替え動議で提案したように新空港線のための積立金はいったん中止して、物価高騰と、コロナ感染の影響で景気が落ち込んでいる区内中小事業者、区民への支援に約10億円が使えたのではないでしょうか。
第3セクター羽田エアポートライン株式会社への出資金1億8千万円は、新空港線積立金を取り崩していますが、区が負担すべきものではないことは確認されていますので早急に一般会計にもどして区民のための財源とするよう求めます。
そこで伺います。◆新空港線について区民への理解は進んだのでしょうか。
昨年の新空港線の区報臨時号ですが、資料としてタブレットに乗せてあります。各戸に配布され、さらに新空港線の整備促進事業247万3763円、動画の制作等に活用されています。しかし、ここで確認したいのは、臨時区報にも、それぞれの動画にも「大田区独自の案であり、関係者合意がとれたものではありません」と書かれています。これが「丁寧に説明していく」ことになるのでしょうか。
また、新たな大田区基本構想の策定に向けてのアンケートのための「データーブック」には、「23区の中でただひとつ!空港があるまちおおた」のページが設けられ、「新空港線により移動がもっと便利に!新空港線が開通すると、区内の東西方向の移動が便利になるとともに、区内から羽田空港や、しぶや・新宿・池袋・埼玉県方面への移動もスムーズになります」と紹介されています。庄嶋議員が小学生・中学生のアンケート結果について総括質疑で述べていたように、子どもたちは楽しく遊べる公園への意識が一番でした。
20代から60代の結果では60代で羽田空港というフレーズがでてきますが、それ以外の世代では羽田空港についても新空港線についても上位にはありませんでした。タブレットの資料の最後のページを参照ください。
9月28 日東京新聞の報道では、区内で「新空港線計画見合わせの署名」活動が始まったことが報道されていました。1360億円大田区分363億円利便性なし、全体計画なし、巨額な税金投入について多くの区民・鉄道利用者から疑念や反対の声が上がっています。
そこで伺います。◆見直しを求める区民の声がありますが、今後区はどのように進めていくのですか?
物価高騰、建設材料、ガソリン等の値上げ、人出不足、最低賃金わずかに上昇など、第1期工事費1360億円はさらに増額となり区負担分も同様に増額とる可能性は大です。
大田区負担分は、財調や交付金等で限りなくゼロにするよう努力するとの鈴木区長が述べていますが、東京都は「新空港線計画は国が進めること」などとして、態度を明確にしていません。新空港線は「40年来の区民の悲願」と区はいていますが、40年前と状況は変わっているのではないかという区民の声を真摯に受け止めることです。
区民は下丸子1,2号踏切解消など、身近な安全安心な暮らし、緑の多い町、子どもたちがのびのび育つ環境、モノづくりなどの事業の継承を望み、新空港線への期待は大きくないことを述べて質問を終わります。