大田区議会第2回定例議会 陳情と請願はほとんどが不採択となりました。採択を求める討論をおこないました。

  • 2024年7月1日
  • 2024年7月1日
  • 未分類
  • 49View
  • 0件

 第2回定例議会に区民の皆様から陳情と請願が提出されました。各委員会でしんぎがおこなわれましたが、多くが不採択となりました(採択は1件のみ、継続1件)。以下は6月28日本会議で行った討論です。長いですがぜひお読みいただき、ご意見をお寄せください。

 日本共産党区議団を代表して、陳情6第26号、27号、28号、29号、30号、31号、32号、33号、36号、5第70号、と、請願第34号について不採択とした委員長報告に反対の討論を行います。

 6第26号 寿祝い金贈呈事業の一部変更を見直し、「寿祝金3000円」の復活に関する陳情は、今年度から88歳・米寿を迎える区民を対象に行っていた、寿祝い金3000円の贈呈を区長からのお祝い状に変更したことにたいして、寿祝い金3000円の復活を求めている陳情です。区は、委員会での理事者見解などで、寿祝い金の廃止を区民ニーズがより高い事業へ財源を振り向けるとし、その区民ニーズがより高い事業として、在宅で介護している家族をサポートするために、ヘルパーを派遣する「家族介護者支援ホームヘルプサービス」事業の拡充や、「高齢者補聴器購入費助成」の拡充をあげました。しかし、いつから「寿祝金贈呈事業」の一部変更の議論を行ってきたのか、異常な物価高騰を加味した議論がなされたのかについては答弁が曖昧でした。年間約1100万円の寿祝い金の廃止ですが、「財政の健全性の維持を両立させるための行財政運営の体質改善を図る不断の取組が必要」、「絶えず施策の新陳代謝を進める」として、物価高騰などで苦しむ区民に寄り添わない姿勢は大問題です。今回、区民から本陳情が出されたことからも、寿祝い金3000円の贈呈は区民ニーズが高い施策でもあり、本事業の削減・廃止することを区民は望んではいないのではないでしょうか。よって陳情の採択を求めます。

 6第33号 レプリコンワクチン接種等は、効果と影響の検証のもと行っていただきたい陳情は、陳情者は2024年度の秋冬接種に向け、新規変異種に対応するワクチンとして実用化を目指しているレプリコンワクチン等の影響や副反応、副作用について心配されています。委員会での理事者答弁などにもありましたが、大田区はこの間、新型コロナワクチン接種に関して、副反応や副作用についても救済制度の案内も含めて区民へ周知してきました。本陳情は、大田区に対して「ワクチン接種の…勧奨は、様々な観点から総合的に、区民に情報提供し、…内容を踏まえ適切な判断をお願い」しています。この間の大田区の取組を進めるものでもあり陳情の採択を求めます。

 6第34号 国に対して訪問介護の報酬引き下げの撤回を求める意見書の提出を求める請願は、請願書にあるように4月からの介護報酬改定によって、訪問介護の基本報酬が引き下げられています。その理由は訪問介護事業所の利益率が他の介護事業所と比べて高いとされていますが、高齢者住宅や福祉施設を併設する大手の介護事業者等が平均値を引き上げていることが要因で、中小の訪問介護事業者の多くは、今回の報酬減で人手不足や異常な物価高騰により経営が困難に陥っています。この事態に、国会衆議院厚生労働委員会は6月5日、「介護障害福祉事業者の処遇改善に関する決議」を全会一致で議決しています。決議では、介護・障害福祉従事者は「重要な職責を担っている」と指摘し、他産業の給与水準と比べて低い状況だとして、「優れた人材の確保」「サービス提供体制を整備」するため、報酬改定などの影響について介護事業者等の意見も聞き、速やかで十分な「検証」を行うとしています。また、賃金などの処遇改善に資する施策を検討し、「必要があると認めるときは、必要な措置を講ずるべき」だと政府に求めました。

 大田区議会でも本請願を採択し、国に対して訪問介護の報酬引き下げの撤回を求める意見書の提出をするよう求めます。

 6第28号 相生小学校前の歩道について段差の改修を求める陳情

は、相生小学校前の車道と歩道のあいだに段差が残っており何度か転倒する事故が起きていること、小学生も毎日通行しており、歩行者が安全に通行できるよう段差のない歩道に改修することを求め署名も約200名が添えられておりました。

この陳情を担当部局が視察調査し即時に改善の対応をとったことは、大いに評価するものです。委員会では「改善されるみこみであり、願意が達成された」という理由で不採択になりました。しかし工事はこれからで工事が完了したのでもありませんので願意が達成されたとはいえません。本陳情を採択し、区民の願いに応える事です

 6第36号馬込第三小学校改築計画についての陳情は

委員会では.「校舎改築の基本設計、実施設計は総合的に判断している」、「地域住民の意見を聞いてまとめた」、「すでに住民にも周知されているから」という理事者の見解を受け、不採択となりましたが、校舎改築の基本構想、説明会の後に3年かけて改築計画を変更した学校の事例もあります。この計画の見直し、変更はできないことではありません。また、屋上にプールを作る計画ですが、それでは熱中症対策ができません。陳情者は旧プール跡地にプールと体育館を建設することが可能であり室内プールにすることで熱中症対策にもなるとしています。本計画の校舎改築では、地盤を約5m~8m掘り下げて地下1階・地上5階の校舎を建設する計画ですが、入新井第1小学校の改築では建築発生土受け入れ制限が発生し残土の搬出ができず、次の工程に移行できない期間が生じました。今回の計画では地盤を掘り下げることで大量の建築発生土となります。残土の処理が出来ずにさらに工期が長引く恐れがあります。このリスクを回避するには掘り下げを行わない4階建ての南校舎・北校舎にすることで防げます。プールが使えない期間と校庭が使えない期間が大幅に削減できるなどの利点ものべています。また馬込第三小学校は内川の源流域に立地しており、地盤を掘り下げると水が出るリスクもあります。これらのリスクを回避するためには計画の見直しが必要であり本陳情の採択を求めます。

 6第27号低所得世帯に防災備蓄品を無償支給することを求める陳情は

 委員会では、「この陳情は、自助と公助をはき違えている」「これを認めたら、過度な要求が出てくる」などの意見が出されました。しかし、長引く物価高騰の中で、区民の方々からは、毎日の買い物を2日に一回、3日に一回と減らしている、買うものを必要最小限にしているという話を聞きます。シングルマザーの方からは、一日3食の食事を2回に減らしているという話も聞きました。また、各地で行われる食糧支援に参加する人数が増えています。そういう方々の多くが、住むところはあり普通に暮らしているように見えても、実際には毎日の食べるものにも事欠く日々だという方が非常に増えているのが特徴です。

 この陳情はそういった低所得者への防災備蓄品の無償支給を求めています。区は、ローリングストックを推奨しているとのことですが、毎日の買い物にも事欠く方々には、1品でも余分に買う余裕はありません。自助できないところに公助の手を差し伸べるのが区の仕事ではないでしょうか。「だれ一人取り残さない」という大田区ですから、低所得者も区が推奨するような7日分、せめて3日分の備蓄ができるよう、防災備蓄品の無償支給を求める本陳情の採択を求めます。

 6第31号B滑走路西向き離陸時の新たな騒音軽減対策を国に要望してほしいと願う陳情は

 陳情者は「B滑走路西向き離陸時・南風時では騒音の大きい大型機に於いて、滑走路を最大限100メートル後方から使い騒音軽減を図るという運用方法が2022年11月1日から始められましたが、運用開始から1年以上経過した今も羽田小学校や新仲七町会会館で計測される最大騒音値は、変わらず高いまま」その大きな騒音を少しでも減らすよう、新たな騒音軽減対策を大田区から国に要望するよう求めています。委員会の討論のなかでは、2020年3月26日付けの大田区長・川崎市長の要望書で「羽田空港新飛行経路の運用に関する対応について」などで「騒音・振動影響の大きい機材によるB滑走路からの離陸の運用見直し」を要望し改善がされている。また、航空会社に対して低騒音機の導入促進を要望し、この間、機材更新が進み全機数に占める低騒音機の割合が11%から34%に引き上がっていることでなど対応してきてこれ以上の対応は難しいなどで不採択となりましたが、

最近の委員会報告の騒音測定状況を見ても羽田小学校の3月の最大値が83.5dbとなっており、うるさくて我慢できない領域に入っており、何らかの騒音軽減対策は必要であり、採択を求めます。

 6第32号D滑走路北向き離陸時の内陸飛行の騒音測定を5カ所にもどしてほしいと願う陳情は 

陳情者はこれまで、毎年行っていた1週間連続の短期測定調査により内陸飛行騒音調査を前回調査2022年11月1日~8日までは5カ所で計測していたものを2023年11月8日~16日までの調査では矢口東小学校のみ1カ所に変更され不安になっており、元の五カ所に戻すことを求めた陳情です。理事者見解では、10年間測定してきた中で、矢口小学校・航空標識・KAMAT近傍に於いて9,000フィート以上で飛行していた、2010年度にD滑走路運用開始以降Lden(エルデン)値はほとんど変わらず経年的な変化が認められないことなどから航空標識・KAMAT近傍の1カ所にしたと理由を述べられました。しかし、区民の安心・安全を保つためには、これまで10年間測定し積み上げたデータを基に今後さらに騒音測定のデータを蓄積して行くことで騒音による身体への影響など解析に生かすことも必用であり、採択を求めます。

6第29号 若竹児童公園にトイレを設置する事への陳情

5第70号 だれにもやさしいトイレの設置を求める陳情

は、いずれも若竹児童公園にトイレの設置を求めるものです。

 若竹児童公園公園利用者は、工事前はすぐ隣の田園調布特別出張所があり、トイレが使用できていましたが、出張所移転したため、トイレが利用できなくなりました。

5第70号は、陳情審議の時点では工事が完了していなかったので継続になっていましたが、現時点で工事が完了したので、6第29号もあわせて審議されました。委員会では、トイレを作ってほしいという陳情者の思いはわかるが地域住民の反対があるため不採択となりました。

若竹児童公園は、かわいらしく、とても明るい公園になりましたが、トイレがないことはとても残念です。また、フエンスには「こちらにはトイレはありません。近隣の出世(しゅっせ)稲荷児童公園のトイレをご利用ください」と書かれている看板がありますが、委員会で理事者からは「出世(しゅっせ)稲荷児童公園は210mほど1分半でいける」と答弁がありましたが、大人が必死で歩いても3分以上かかりますから、乳幼児は我慢できません。このような状況から、両陳情の採択を求めるものです。

大田区には、たくさんの児童公園があり、トイレがあるところないところやロケット型のトイレがたくさん残されています。これから区が作成する(仮称)大田区パークマネージメントマスタープランの策定において、地域の声を十分反映することを求めておきます。

 最後に、6第30号ミャンマー軍の徴兵制実施に伴い人道支援を求める意見書を日本政府へ提出を要請する陳情は。

不採択とした意見の中に「内政干渉になるのでは」「他の国の徴兵制について意見を出すことはできないのではないか」がありましたが、区内にはミャンマーの人たちが令和6年4月時点で882人住んでおられ、昨年から404人も増えているとのことです。技能実習生や留学生の人口は不明ですが、男性18歳~35歳の方々は対象となり本国に強制送還される可能性があります。

クーデターで武力によって国民を制圧して政権を獲ったミャンマー軍によって、国民同士を殺し合わせ軍事力を維持するための理不尽極まりない徴兵制は、日本国内で働き暮らすミャンマーの方々を一層の不安に陥れています。日本の政府は彼らの苦難に向き合い、苦難軽減のために全力を挙げなければなりません。

大田区議会は第1回定例議会において、「大田区は平和都市宣言」において「世界の恒久平和は区民の願いである」として、パレスチナ自治地区ガザ地区における平和の早期実現に関する決議を全会派一致で採択しています。同様に大田区に住み働き学んでいるであろうミャンマーの若者を人道的に庇護するために、大田区議会も日本政府に意見を上げることが今求められています。採択を求めます。以上で討論を終わります。

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!